2023年7月1日
FURUDONO Koichi
What is the future of Homo sapiens ?
序章
二足歩行の人類による石器の発明から約300万年。
地質時代における現代の「人新生」という地層概念が示唆するものの核心とは、地球人口の制御が避けられないということかもしれません。
1章
文化は生きる意味、文明は生きる手段、経済は人々の生態ですが、生きることは、あらゆるButterfly
effectが生じてる中にあり、それらは終りの無い無数のドミノ倒しの拡散している様で、なるようにしかならずに世界は変わります。
それでも人間は欲で行動し、善良と邪悪の間で揺れ動き、楽観と悲観の間で揺れ動きながら日々生きています。
文化は文明があることで成り立ち、人々の生態が調和した安定を保つには、思想に依るのではなく、全ての人々が受け入れる経済のあり方に依るしかありません。
その経済のあり方を見い出だせれば解があるのでしょうが、調和すべき人々の数が増えるほど難解となり、人々の能力を超えてしまいます。
このことは人々の紛争、戦争は決して無くなることがない事を意味しています。
2章
人間は生まれると全てを失う時間を消費し始め心身の劣化を含めて、高齢になるに従い、それらを手遅れだけれど自覚できるようになります。
医療の使命は不快の緩和にあって根治は達成できません。
自身による死の選択も人権の基本的権利のひとつとして含まれます。
3章
21世紀人間社会を空想、想像、妄想してみると、21世紀中に人間は人口を制御する可能性が大きいと思います。
それは人口を自在に操り、人間の培養・生産・育成をする国の出現です。
生命工学、遺伝子操作は既にそのレベルに到達していると思われます。
全ての生物の中で、唯一血統に拘る価値観を醸成してきた人間の価値観が、変わり消滅する段階に踏み込んだといえるのかもしれません。
ウイルス、微生物、植物、動物など全ての生物の中で、文明を存続の手段とした唯一の生物である人間は他の生物の様に生存環境に合わせ変化して存続するということを放棄したことで、致命的な弱点を抱え込んだようです。
そうすると、人間は文明に依存して存続するしか選択肢は無く、文明は種の存続を目的にはできず、個の存続の中に成果を得ることを目的にすることしか選択できない状況に追い込まれてしまうのでしょう。
また、21世紀中には LBGTQ の認知だけでなく、HARC ( = Human Android Robot Cyborg
)が主要な社会構成要素として存在することになるのは確実と思います。
それは、
Human =人間そのものですが、計画生産された人間が多く存在する。
Android =脳の機能が高度な AI で置き換わり、人間の肉体機能の全てを働かせる。
Robot = AI により人間と同機能を有する機構を働かせる。
Cyborg =人間の頭脳が人間と同機能を有する機構を働かせる。
HARC ( = Human Android Robot Cyborg )
を2歳児レベル位から養育することが必要となり、社会性を体得した養育に必要な人格や知識を有する人間によって行うといった Society
なのかもしれません。
HARC が主要な社会構成要素として存在する Society
は災害・飢餓・紛争・戦争などによるのではなく人口抑制された文化的調和を見出だして、持続するものになるかもしれません。
4章
人々の生態である経済で大きな役割を担う通貨は、人間の偉大な発明のひとつで「文明」として重要なものですが、現代社会の様々な価値を表す物差しとして、どの様に価値を計るかを決めることは、時間の変化により計る価値も無数の要素が変数として関わるので難解です。
そのことは基軸通貨であれ、本位制であれ、変化する要素の関わりから逃れられず、現実的には人間の慣れで価値を計る手段(便宜的には通貨と呼ばれるもの)が変遷していき、その手段にデジタルデータ(いわゆる暗号資産とは全く違うものです)が取り込まれて価値を計ることの核心的要素として機能すると思います。
通貨は国家の経済状況データを反映して国による信用保障のあるデジタル通貨となり、それに加えて国家間の条約締結によるデジタル共通通貨が制定され、国際決済手段となっていくと思います。
そうなると二国間貿易から多国間自由貿易協定でのデジタル共通通貨から、更にデジタル基軸通貨制定機運が浸透していき為替市場を介さない国際金融決済として機能することになるかもしれません。
5章
人間の社会秩序は全体最適か個別最適かという闘争の中にあって、その闘争はどちらが優位となっても結果として人間減少に向かうしかないのでしょう。
終章
言葉を緻密に使いこなせる人間は言葉によって嘘を生み出し、壮大な嘘の物語を創って継承しています。
そうした物語に頑なに従う獰猛な生物の人間は、少しのきっかけで狂乱に走り出す危険性を持っているようです。
人間の狂乱を察知した時に狂乱の渦から速やかに離脱することで、未来に向けて静かなる人間の存続を果たせるか、それは誰にも分かりません。